結婚式場から見える景色

結婚式場から見える景色

結婚式場から見える景色

結婚式場から見える景色は、どんな天候であろうと、新郎新婦やその関係者から見ると、晴れやかな気持ちで目に映るものであって欲しい。そう思いながら日々、この大きな一枚ガラスを磨く。沢山の窓があり、窓以外にも掃除をする必要がある箇所がここには一杯あるから、このガラスだけに心を込めることはできないが、私に許される限り、1枚1枚丁寧に、曇りの残らないように拭き掃除をする。

北鹿ハリストス正教会曲田福音聖堂のホームページ

私自身が嫁いだあの日は、台風が過ぎ去り、よく晴れた秋晴れの空だった。出席してくれる友人知人、親戚たちも、ニコニコと笑顔で結婚式が始まるのを待っていた。何回も打ち合わせをし、沢山のドレスの中から選んだ私に一番似合う純白のドレスを着て、プロのメイクさんにお化粧をしてもらった私が微笑みかける相手は、これからの人生を共に生きていくと決めた、素晴らしい花婿さんだ。

東京国立博物館 - 東博について 館の歴史 1.湯島聖堂博覧会

しかし、私は笑顔の下に、悲しみを隠していた。笑顔で私を気遣ってくれる新郎よりも、本当は結ばれたい人がいた。友人や家族も知らない、私と相手の心に秘めた愛だった。私を幸せにできないと別れを告げたあの人は、その半年後に病気で亡くなった。こっそり参列した葬儀には、初めて目にしたあの人の奥様もいた。彼が奥様を選んだと思って、今、目の前に立っている新郎を選んだ私だったが、本当は、彼は病気を知っていたのかもしれない。誰にも悲しみを打ち明けられず、私は嫁ぐ日を迎えたのだ。

宮城 結婚式場

気持ちを隠して結婚した私には、その後罰があたるように色々な出来事があり、現在は掃除婦をしてなんとか1人で生きている。この式場で結婚式を挙げる花嫁さんは生涯幸せでいられるよう、毎日祈りながら一生懸命に掃除をしているのだ。